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あの日 | 【東日本大震災】
ここに載せるのを躊躇いましたが
私たち家族の記録として、あの日のことを残します。


*********************************


【東日本大震災 2011年3月11日(金)14時46分】



その日私は古い建物の10階にいました。

仕事が終わりトイレに寄って出ようとした時
激しい揺れに襲われました。


「地震の時はトイレが安全」と
呑気に構えたのも束の間。

部屋中のものが倒れ、落下する音と割れる音。

地響きと轟音の中
建物が斜めに傾きながら激しく揺れ

「このまま崩れる…!」

一瞬自分の死を覚悟した。


それと同時に

頭に浮かんだのは
留守番しているレオンとユウリ。


逃げ惑うふたりの姿が浮かび

「早く家に戻らなきゃ!」


何が何でもここから出なければ。

急いでトイレから飛び出したものの
揺れが大きくなかなか前に進めない。

立っていることができず
寄りかかった壁に飛ばされた。

少し収まったように感じた次の瞬間
更に激しい揺れが襲ってきた。

今まで経験したことのない激震。

これが地震なのか何なのか理解できないまま
激しい揺れは収まらず、5分…10分…

一体どれくらい続いたのかも分らない。

どうにか荷物とカメラを拾い
棚の下敷きになったコートを引っ張り
非常階段を駆け下りた。

10階から1階へ。

震えの止まらない脚は
ガクガクしている。

ようやく外に出て

「助かった。。。」


外は既に大勢の人。

道路は渋滞が始まり
タクシーを拾いたくても
止まってくれない。

歩いて帰ろうと向きを変えたところ
偶然、私の家の方に向かうバスが見えた。

急いで停留所に走り
運良くそのバスに乗れた。

信号が停電し、なかなか前に進まない。

早く!

早く!!

気持ちだけが焦る。

「どうか無事でいてくれ!」


バスから降りて家に向かう途中
近所の公園は避難してきた人で溢れていた。

マンションの非常階段を駆け上り
急いで家に入ってみると
そこは予想以上の惨状。

部屋も廊下も足の踏み場がなく
ブーツを履いたまま
れおゆうのいるリビングに向かった。

けれど
リビングのドアが開かない!

どんなに押しても
力いっぱい押しても
開けられない。


レオンは「早く出して!出して!」と
ドアの側で泣き叫んでいる。

とにかく
レオンは生きてる。
良かった。


でも、ユウリは?

いつも一緒に出てくるユウリの
声も姿もない。

ユウリはどこ?

ドアのガラス部分からリビングを覗いても
ユウリの姿がない。

それどころか
レオンがジタバタしている足元は
割れた食器とガラスの山。


「レオン、来るなーーっ!!」



ドアは何度やっても
どんなに押しても
ビクともしない。


上空はヘリコプターが飛び交い
外は消防車や救急車のサイレンが鳴り響いてる。


「どこかの部屋で火災が起きたら…」

背筋が凍った。


悲痛に泣き叫ぶレオンに

「すぐに出してあげるから!!
もう少し!もう少しだけ待って!!」

「ユウリを探しててっ!!」


玄関を飛び出して
通路から下にいる人を見降ろした。

「あの人は…?違う!」

「この人は…?違う!」


この非常時に人命ではなく
部屋に閉じ込められた犬を救出してくれる人。


頼めそうな人が見つからないまま
急いで下に向かった。

胸が張り裂けそうに痛い。

とにかく早く。
早く助けなきゃ!


ちょうどその時、声が聞こえた。

「もしも避難場所がなかったら
今日はここを開放しますのでどうぞ来て下さい。」

声のする方を向くと
隣のデイサービスセンターの方が
私に向かって声を掛けて下さっていた。


この人しかいない!


私は迷わず

「すみません!助けて下さい!
部屋の中に犬が2匹閉じ込められました。
ドアが開かないんです。
二人くらい男性をお願いできませんか?」


職員の方はすぐに

「分りました。大丈夫です。すぐ向かわせます!」


今思えば、ケアセンター内も大変だったはずなのに
快く若い男性二人を派遣してくれた。


そこから始まったれおゆうの救出作戦。

食器棚がズレて
ビクともしないドアは
男性二人でも動かない。

あの手この手を使っても
全然動かないリビングのドア。

大きめのガラス部分を割ろうと
男性が力いっぱい金槌でガンガン叩いても
一向に割れない。

どんだけ丈夫なんだ?!と
半ば呆れつつ、最後の手段で
ドアの木の部分を壊してもらうようお願いした。


ガンガン、ガンガン…


金槌や工具箱に入ってる道具で
壊していく。

外はだんだん暗くなり
猛吹雪が焦りと不安を大きくさせる。

その間にも大きな余震が数回。

仕事で多賀城にいた主人が津波を逃れ
どうにか帰宅したのもちょうどこの頃。

ようやくドアの下部分に空間ができ
主人と男性が隙間から部屋に潜り込んで
レオンをこちらに引き渡してくれた。

食器棚を動かしてもらい
中に入ってみるとリビングはメチャクチャ。

「ユウリーッ!」

「ユウリーッ!!」

どこかに隠れているのか
それとも何かの下敷きになっているのか

名前を呼んでもユウリが出てこない。

部屋中探しても姿が見えない。


洗面所もラックが倒れ
棚の中身はすべて落ち
足の踏み場がない。


でも、もしかしたら。。。

掃除機が苦手なユウリは
いつも決まって洗面所の奥に隠れる。

何か怖いことがあったり
私に叱られそうになっても
隠れる場所は同じ。


きっとココに違いない。

そう思った主人は落下したものをかき分けて
下から覗き込んだ。


すると

「いたーーー!!」


ユウリは棚から落ちた洗濯カゴに
体を小さくして入っていた。

その洗濯カゴは横向きに倒れ、
その空間にすっぽり入っていた。

いつもの場所に逃げる途中で間に合わず
運良くカゴに入ったのかもしれない。

すっぽり入ったカゴが
落下物から身を守ってくれていた。


助かった。
レオンもユウリも無事だった。


安堵で涙が止まらない。


レオユウが無事だったことを
「良かった」「良かった!」と
喜んでくれた二人の男性。


余震で揺れる中、嫌な顔ひとつせず
いろいろ手を尽くして下さる姿に
「この人たちに頼んで良かった」
と心底思った。

もしもあの時、声を掛けてもらわなかったら
まだまだずっと部屋に閉じ込められていたに違いない。

自分たちの仕事を置いて
助けてくれたお二人に深く深く感謝した。




震えるレオンを抱いて部屋の惨状を見ると
どれほど恐怖に怯え、逃げ惑っただろうと
胸が痛んだ。

パソコン、プリンター、テレビはもちろん
あらゆる電化製品は落下し、チェストは倒れ
本や少し軽めのものは
「これが何でココに?」って驚くほど
かなり離れた場所まで飛んでいた。


そして、お洋服に着いていた
ガラスの破片。


普段、家ではお洋服を着せないけれど
前日撮影のリハーサルに着せた服を
寒いのでそのまま着せていた。

お陰でお洋服がクッションとなり
落下物からふたりの体を守ってくれた。


ほんの少しの偶然と
ほんの少しのタイミングで

怪我をせず無事だったれおゆう。
そして、津波の難を逃れた主人…。


生きていることは当たり前じゃなく
誰にとっても奇跡なんだと
思い知らされたこの日。


「生きている」

そのことに、ただただ涙が溢れてきた。



++++++++++++++++++++++++++++++++


震災から3日目。
少しずつ片づけながら部屋を撮影。


110321_2.jpg

本棚が倒れ入口をふさいだ。


110321_1.jpg




110321_3.jpg

食器類はほぼ全滅。
どんぶりやカレー皿など
頂いたまま箱に入れてた食器類は無事。


110321_4.jpg
冷蔵庫の扉は開きオーブンレンジはダイブ。
冷蔵庫の中身を取りたくても辿り着けない。



110321_5.jpg
拾っても拾っても終わらない破片の山。
この場所で、れおんはずっと泣き叫んでいた。



110321_8.jpg

れおゆう救出時に壊してもらったリビングのドア。


110321_7.jpg

このスペースから中へ。



110321_11.jpg

れおゆうの体を守ってくれたお洋服と
ゆうりを救った洗濯カゴ。



【2011/03/22 14:36】   | Top↑






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